「食べないといけないのに、食べられない」。つわりのいちばんつらいところは、この矛盾かもしれません。
沖縄で暮らすアラサー夫婦、さやママ(妻)とけんパパ(夫)です。第一子の妊娠がわかってしばらくして、さやママのつわりが始まりました。この記事は、そのときに 実際に食べられたもの・飲めたもの と、夫婦でどう乗り切ったか を、できるだけ正直に書き残したものです。
先に大事なことを一つ。つわりは症状も重さも人によってまったく違います。ここに書くのは「我が家の場合」であって、「こうすれば治る・楽になる」という話ではありません。あくまで一つの体験談として、同じ時期を過ごしている人の肩の力が少し抜けたらうれしいです。
妊娠がわかった直後に夫婦でやったことは、連載のはじまり 妊娠がわかったら最初にやったこと にまとめています。この記事はその続きの記録です。
さやママのつわり体験(いつから・いつまで・ピーク)
さやママのつわりは、だいたい 妊娠5週ごろに始まって、10週ごろにはずいぶん楽になりました。いちばんつらかったピークは 7週前後 です。

食べづわり(食べていないと気持ち悪くなる)でも、においづわりでもなかったんです。
とにかく、食欲がガクッと落ちて、吐き気が続いて、実際に吐くこともありました。
空腹でもつらいし、かといって食べても満腹でつらい。「食べないといけないと思うのに、食べられない」その板ばさみが一番しんどかったです。
そのほかにあった症状は とにかく眠かった こと。頭痛やよだれが増えるといった症状は、さやママの場合はありませんでした。

そばで見ていて、元気がないというより「エネルギーが底をついている」感じでした。
むやみに励ますより、静かに支度しておくほうがいいのかな、と手探りでした。
念のためですが、つわりの始まる時期・ピーク・落ち着く時期には大きな個人差があります。一般的な目安はこの記事の後半(基礎知識のパート)でまとめました。
つわり中に食べられたものリスト【夫婦の実録】
ここがこの記事の
本題です。さやママが「これは口に入れられた」
というものを、種類ごとに並べます。効果があったという話ではなく、単純に食べやすかったもの の記録です。つるっと冷たい系(のどを通りやすかった)

- フルーツゼリー
- プリン
- ヨーグルト
- inゼリー(かつての「ウイダーinゼリー」。2018年3月出荷分から森永製菓ブランドの「inゼリー」に名称変更されています)
固形物がきつい日でも、冷たくてつるっとしたものは比較的口に入れやすかったそうです。暑い沖縄では、冷えたゼリーやヨーグルトが余計にありがたく感じました。
フルーツ

- バナナ
- イチゴ
- ブドウ
- みかん
みずみずしいものや、ひと口サイズでつまめるものが中心でした。まとめてではなく、食べられるときに少しずつ。
そのまま食べられる系

- アボカド
- 豆腐
- トマト
火を使わず、切るだけ・器に出すだけで食べられるものは、体調が悪い日でもハードルが低かったです。
飲めたもの
- 水
- 麦茶
- 果汁100%ジュース
飲み物は水と麦茶が基本で、口寂しいときや糖分を摂りたいときは果汁100%のジュース。
ちなみに コーヒーは飲みませんでした。妊娠中のカフェインについては、日本国内で統一の摂取基準は定められていません(内閣府食品安全委員会のファクトシートより)。
ただし海外の主要機関では、妊娠中は1日200〜300mg程度(コーヒーに換算するとおよそ1〜2杯程度)を目安とする例が多く、東京都保健医療局も欧州食品安全機関(EFSA)の基準を参考に「妊娠中は1日200mgまで」を目安として紹介しています。
カフェインは紅茶・緑茶・チョコレートなど他の食品にも含まれ、感じ方にも個人差があるため、気になる場合は自己判断せず、かかりつけの産院で確認するのが安心です。
共通していたのは「冷たい・つるっと・そのまま食べられる」 という点でした。栄養バランスは二の次で、まずは口に入るものを優先していました。
逆に「食べられなかったもの」はあった?
つわりの記事では「食べてはいけないもの」「においがダメになったもの」のリストをよく見かけます。ただ、さやママの場合は少し違いました。

「これが受け付けない」という 特定の食べ物はなかった んです。何か一つがダメというより、食欲そのものが落ちて、全体的に量が食べられなくなった、という感じでした。
だから我が家では、無理に「NG食品リスト」を作ることはできません。ここは正直に書いておきます。つわりで食べられないのは「特定の食品のせい」とは限らず、食欲そのものが落ちてしまう タイプもある、ということです。同じような人が「自分はどれがダメなのか分からない」と責めなくていい、と伝えたくてこの見出しを残しました。
においで一つだけ変わったこと
食べ物のにおいは平気だったのですが、タバコや汗のにおいには以前よりずっと敏感 になりました。近くにあるとつらいので、そういう場所からはそっと離れる。それくらいの対処で乗り切っていました。
けんパパが実際にやったこと(買い出し・声かけ)
つわりの体験談は妊婦さん本人の視点で書かれたものがほとんどです。ここでは 夫(けんパパ)が実際に何をしていたか を残します。同じ立場のパートナーの参考になればと思います。
やっていたことは、シンプルに二つです。
- 食べ物・飲み物を買ってくる
- 体調を気づかう
特別なことはしていません。ただ、一つだけ「これは喜ばれた」とはっきり言えることがあります。

「無くなる前に、先回りして買っておく」
これがいちばん助かったと言われました。つわり中は『買ってきて』とお願いする気力も出ないし、食べられるものもその日その日で変わります。だから、ゼリーやフルーツ、飲み物のストックが常に切れないように、なくなりそうな前に補充しておく。
頼まれてから動くのではなく、先に動いておくのがポイントでした。
パートナーへ伝えたいことも聞いてみました。

つわりは本当に人それぞれです。重い・軽いに関わらず、妻が「食べたいもの」「したいこと」を尊重してあげてほしい です。
気分も、食べたいものも、コロコロ変わります。家事ができない日だってあります。それを「わがまま」ではなく「今はそういう時期」と受け止められるかどうかで、だいぶ違うと思います。
正直に言うと、「これは失敗だった」という派手なエピソードはありません。手探りではあったけれど、先回りして選択肢を用意しておく ことに落ち着きました。
なお、つわり中に助かった「食べ物以外のグッズ・アイテム」については、我が家は特別なものには頼りませんでした。マタニティ期に買ってよかったモノは、別の記事 「妊娠中に買ってよかったもの」(今後公開) にまとめる予定です。
仕事との両立でやっていたこと
さやママは、つわりの時期も フルタイムで普通に働いていました。
いちばん大変だったのは、やはり吐き気です。

仕事中、吐き気で席を立つことが多くて、多い日は1日に4〜5回 離席していました。
それでも仕事を続けられたのは、無理をしなかったからというより「動ける範囲で動いた」からだと思います。ここは我が家の実際の状況で、正解ではありません。つらいときは休むことも、周囲に一言伝えておくことも立派な選択です。体調は日によって波があるので、「今日は無理」と言える余白 を自分に残しておけると少し楽になります。
心が折れそうな時にやっていたこと
つわりのつらさは、体調だけではありませんでした。

食べないと赤ちゃんに悪いんじゃないか、と思うのに食べられない。その 申し訳なさ・罪悪感 が、地味に効いてくるんです。
そんなときに支えになっていたのは、大げさな気晴らしではなく、旦那とおしゃべりしながらの散歩やドライブ でした。外の空気を吸って、たわいもない話をする。それだけで、こもっていた気持ちが少しほどけました。
そして、この時期に一つ、正直な気持ちがあります。

実はこのころ、私たちはまだ一緒に住んでいませんでした。だから本音を言うと、ただ隣にいてほしかった。何かしてほしいというより、そばにいてくれるだけでよかったんです。
このあたりの経緯は、連載のはじまり 妊娠がわかったら最初にやったこと にも書いています。うまくいっていた部分も、そうでない部分も、これも我が家のリアルです。
知っておきたいつわりの基礎知識(目安)
ここからは体験ではなく、一般的に言われている情報を簡潔にまとめます。数値や時期はあくまで目安で、個人差がとても大きい 点に注意してください。気になることはかかりつけの産院で確認するのがいちばん確実です。
- 時期の目安
厚生労働省委託の「働く女性の心とからだの応援サイト」では、つわりは妊娠6週ごろから始まり、多くは妊娠12週ごろには落ち着いてくると紹介されています。ただし始まる時期・終わる時期・ピークの重さには個人差がとても大きく、16週ごろまで続く人も珍しくありません。 - 原因
はっきりとした原因は医学的にもまだ解明しきれていませんが、同サイトでは、胎盤から分泌されるホルモン(hCGなど)の変化が関係していると考えられている、と説明されています。 - 症状のタイプ
「吐きづわり」「食べづわり」「においづわり」「よだれづわり」「眠りづわり」といった呼び方は、医学的に統一された正式分類ではなく、産婦人科の患者向け解説などでよく使われている一般的な呼び分けです(例:【産婦人科医監修】つわりのメカニズムと対策最新情報)。
複数のタイプが重なる人もいれば、どれにもきれいに当てはまらない人もいます。 - 食べ方の考え方
先述の厚生労働省委託サイトでも、空腹で吐き気が強くなりやすいため、一度にたくさんではなく 少量を複数回に分けて、口に入るものを食べるとよいと案内されています。
あわせて 水分をこまめに摂る ことも大切とされています。この時期は栄養バランスを完璧にしようと気負いすぎなくてよい、というのも共通して言われていることです。
これだけは注意:無理せず受診してほしいサイン
我が家はつわりが重症化せず、出血などもなかったため、つわりで病院を受診したり点滴を受けたりはしていません。ただし、これは「受診しなくて大丈夫」という意味ではありません。ここは体験とは切り離して、一般的な注意として書きます。
つわりが重くなり、日常生活に支障が出るほどになると 「妊娠悪阻(にんしんおそ)」 と呼ばれる状態になることがあります。次のようなサインがあるときは、自己判断で我慢せず、かかりつけの産科・産婦人科に相談してください。
- 一日に何度も吐いてしまい、水分もほとんど摂れない
- 食べても飲んでも受けつけず、体重が減ってきている
- 尿の量が明らかに減った、色が濃い、めまいや強いだるさがある
妊娠悪阻の定義や、脱水・体重減少といった注意サインについては、MSDマニュアル家庭版「妊娠悪阻」などの医療情報でも、上記のような嘔吐の頻度・脱水・体重減少がサインとして挙げられています。なお、医療現場では体重減少の割合や尿検査の結果なども踏まえて診断されますが、その線引きを自分で判断するのは危険なため、この記事では具体的な数値の基準はあえて示しません。
こうしたサインの線引きは素人には難しいものです。「これくらいなら大丈夫かな」と迷った時点で相談してよい と考えてください。重症化しているかどうかを判断するのは、あなたではなく医療機関の役割です。
我が家の場合は、さやママが体調の変化を その都度けんパパに共有していた のが、結果的に安心につながりました。一人で抱え込まず、パートナーや家族に「今日はこうだった」と話しておくだけでも違います。
よくある質問(FAQ)
Q. つわりはいつからいつまで続きましたか?
A. さやママの場合は5週ごろ〜10週ごろ、ピークは7週前後でした。ただし時期も長さも個人差がとても大きいので、あくまで一例として受け取ってください。
Q. 何も食べられない日はどうしていましたか?
A. 無理に固形物を食べず、ゼリーやヨーグルト、果汁100%ジュースなど、口に入りやすいものだけを少しずつ摂っていました。「今日はこれだけでもOK」と割り切ることも大切でした。
Q. 旦那さんにしてもらって助かったことは?
A. 食べ物・飲み物を なくなる前に先回りして買っておいてくれたこと、そして散歩や外出など、したいことに付き合ってくれたことです。本音を言えば「隣にいてくれること」がいちばんの支えでした。
Q. つわり中に体重が減っても大丈夫ですか?
A. 一時的に食べられず体重が落ちる人もいますが、減り方の程度によっては注意が必要な場合もあります。断定できる話ではないので、気になる場合は必ずかかりつけの産院に相談してください。
Q. 仕事は休んだほうがいいですか?
A. さやママはフルタイムで働き続けましたが、それが正解というわけではありません。つらいときは休む、周囲に伝えておく、というのも大切な選択です。体調を最優先にしてください。
Q. 何を食べても戻してしまう・水分も摂れないときは?
A. 水分も受けつけない状態が続くのは、脱水のサインの一つとされ、様子見でよい状態ではありません。早めにかかりつけの産科・産婦人科を受診してください(詳しくは本文「無理せず受診してほしいサイン」を参照)。
Q. においで特につらかったものは?
A. 食べ物のにおいは平気でしたが、タバコや汗のにおい に敏感になりました。つらい場所からはそっと離れる、で対応していました。
まとめ
つわりの乗り切り方に、たった一つの正解はありません。我が家で言えることは、「冷たくて・つるっとした・そのまま食べられるもの」を少しずつ、そして パートナーが先回りして選択肢を用意しておく こと。この二つに尽きます。
最後に、さやママから同じ時期を過ごす人へ。

仕事も家事も、遊ぶことも大切です。でも、いまはどうか 自分の体調と、おなかの赤ちゃんのことを一番に 考えてあげてください。無理をしないで、休んでいいんです。
そして、つわりが重くて日常生活がつらいときは、我慢せずにかかりつけの産院へ。相談することは、決しておおげさではありません。
この連載の記録
- さかのぼって読む:妊娠がわかったら最初にやったこと
- 前の記録:妊娠検査薬はいつ陽性になった?(今後公開)
- 次の記録:妊娠中に買ってよかったもの(今後公開)
※本記事は夫婦の体験にもとづく一般的な情報の紹介です。特定の食品や方法の効果・効能を示すものではありません。つわりの症状や重さには大きな個人差があります。体調の判断が必要なとき、症状がつらいときは、自己判断せずかかりつけの産科・産婦人科にご相談ください。一般的な情報の部分は、厚生労働省委託サイト・内閣府食品安全委員会・東京都保健医療局・MSDマニュアル家庭版などの情報をもとに2026年9月時点で確認していますが、今後の研究や制度の更新により内容が変わる可能性があります。
